スペイン ”検閲アート”の美術館に《平和の少女像》が展示!

2023年10月26日、スペイン・バルセロナに、
Museu de l’Art Prohibit(禁止されたアートの美術館)が開館しました。

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スペインに《平和の少女像》が展示!

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が展示中止になった時、
キム・ウンソン&キム・ソギョンによる《平和の少女像》(2011)をスペインの実業家タチョ・ベネトさんが購入しました。

彼は2018年に「検閲アート」のコレクションをスタートしました。
この美術館には《平和の少女像》も展示されています。スペイン初となります。

Museu de l’Art Prohibit ホームページより

以下、美術館のホームページより。

芸術における検閲/CENSORSHIP IN ART

21世紀は、検閲、禁止、キャンセル・カルチャーが蔓延している。現在の状況において、ノーム・チョムスキーの主張「もし我々が軽蔑する人々の表現の自由を信じないのであれば、我々はそれを全く信じていないのだ」は、あまりにも適切なままである。

実際、芸術の歴史は検閲に悩まされてきた。ミケランジェロはシスティーナ礼拝堂を描きながら検閲と格闘したし、フランシスコ・デ・ゴヤも、現在はMuseu de l’Art Prohibitに展示されている『ロス・カプリチョス』シリーズの版画のいくつかについて、同様の検閲を受けた。検閲美術館で鑑賞することのできるグスタフ・クリムトとパブロ・ピカソの作品も、展示が禁止されていた。

検閲とキャンセル・カルチャーに関する研究は少ないが、ジャーナリストで作家のガレス・ハリスの著書『Censored Art Today(検閲された芸術の現在)』は注目に値する。ルンド・ハンフリーズとサザビーズ・インスティテュート・オブ・アートから2022年に出版されたこの本は、自由な芸術表現の原則を妨害する検閲の無数の側面を特定し、精査している。

ガレス・ハリスは、「人々が何を見、何を吸収するかを制限することは、究極的には、物理的・仮想的な両方の領域において、歴史的モニュメントを公共の場から撤去すべき理由の決定から、アーティストのソーシャルメディアアカウントの停止に至るまで、大衆のための物語をコントロールすることを中心に展開する」と強調する。『検閲されたアートの現在』は、なぜ検閲が増加しているのか、誰がそれを強制しているのか、そして誰がその矛先を向けられているのかを解明するために不可欠な評価書である。

実際、検閲から芸術を擁護することを目的とする団体、検閲反対全国連合(NCAC)の創設者でありディレクターであるスヴェトラーナ・ミンチェワは、表現の自由と創造性の境界について執筆してきた第一人者の一人である。彼女の論文「カラヴァッジョは人を殺した。それゆえ、我々は彼の芸術を検閲すべきなのか」という20182月に『ガーディアン』紙に掲載された記事は、反省を促し続けている。

NCACが思想、探究、表現の自由を擁護し、あらゆる形態の検閲に反対しているように、Museu de l’Art Prohibit(禁止されたアートの美術館)は、創造的自由の領域として、また芸術における検閲行為に取り組む実験室としての役割を果たすという志をもって出現した。

https://www.museuartprohibit.org/en/museum/art-censorship

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