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日本軍将兵の戦記
宮内省一『最後の初年兵 ソ満国境守備隊』(光陽出版社、東京都、二〇〇九年)一八~一九頁。
(関東軍第一地区国境警備隊員)
陣地周辺の概要を続けよう。この地域は、起伏の多い丘陵の続く国境地帯、陣地を内包した山々の前方は、前述したようにソ連領目前、観測所とともに銃眼から砲口をのぞかせた砲座もあった。山の背面には陣地最大の火砲である中迫撃砲の台座があり、山道を下れば木造兵舎が陣地の山にへばり付くように建っていた。
後方に連なる山間には、兵舎の他に厩が二棟あり、軍馬が六十数頭いた。あまり広くない山間の平地には曲がりくねった道が続き、他中隊の兵舎も陣地の山にへばり付くように建っていた。
将校官舎、守備隊本部の他に、小さな兵寮というのがあった。この兵寮には、なぜか女性が四~五名いたようだ。(この地域は一般民間人の往来が禁じられているところではなかったのか?)後で聞いたところでは、将校用慰安所のようであった。
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