湖北省 浙河
日本軍将兵の戦記
前田修一『砲音(改訂版)』私家版、1996年
昭和14年より19年まで、私たちの部隊は武漢三鎮守備の第一線として漢口北方300kmの浙河に駐屯致しました。〔中略〕
この城内には以上の〔約二〇〇〇名の〕部隊のほか特別第1慰安所(通称第1トイ)第2トイ第3トイ第4トイと4軒の慰安所がありました。各トイには20数名、計100名の慰安婦がおり、将兵の性的欲求を満たしていました。慰安婦はすべて朝鮮の女性で漢口まで出なくては日本の女性に接することはできませんでした。他に食堂が1軒あり日本の男が1人で経営し、佃煮で日本酒が飲めるだけの食堂でした。
他に娯楽施設はなく隊内で囲碁将棋に興ずるだけが慰めでありました。したがって慰安所は繁盛いたしました。