日本軍将兵の戦記
小関文彦『下級陸軍経理将校の思い出』私家版、1986年、
(一九四五年二月)移駐が終るや否や部隊長から、副官と私にとんでもない命令が出された。それは、慰安所開設の命令であった。〔中略〕大学在学中応召の身で「女郎屋を開設せよ」等、随分酷な事を申し付けたものだ。慰安所は専門家が経営するにしても住宅、衣服、食糧は主計が面倒を見、医務、衛生の面では軍医が面倒を見るため、いつも慰安所へは出入しなくてはならず、軍医には物好きな人が多くて、各部将校のよしみで主計も検梅に立会えなどゝ誘われて困った事もあったが、慰安所は連日、大変な賑いであった。
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