ビルマ ラシオ

日本軍将兵の戦記

今井新兵衛「ラシオの四季」五経会編『航空戦の蔭に第五飛行士団経理官の集い』同会、一九六八年

その慰安所がラシオには二軒もあった。俗にP屋と云った。 一つは満月と云って、夜間は将校専用で、昼間は他の一軒と共に下士官兵達で賑っていた満月の方は崖の上の三階建なので、ずっと手前の方からもそのベランダに出ている中華服の広東女の姿が眺められたので、現地のシャン人はどんなに感じているだろうかと思って恥しい気がした。他の方は竜部隊が内地から連れて来た日本人部隊で、九州師団だけに戦いも強いがあの方も相当なものらしく、二軒共なかなかよく繁昌していた。

 

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