カリマンタン島 バリクパパン

日本軍将兵の戦記

中曽根康弘「二十三歳で三千人の総指揮官」松浦敬紀編『終りなき海軍』文化放送開発センター出版部、一九七八年

三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安所をつくってやったこともある。かれらは、ちょうど、たらいのなかにひしめくイモであった。卑屈なところもあるし、ずるい面もあった。そして、私自身、そのイモの一つとして、ゴシゴシともまれてきたのである。

 

山中高吉編著『鎮魂歌おーい空よ海よ バリックパバン・知られざる激戦場(三八一空)』上巻、私家版、2000年。第三八一海軍航空隊員

バリクパパン
辿りついたところは日本女性のいる慰安所らしく、多勢の古参兵もぞろぞろ坂を上がってくる。ぜいたくな造りのオランダ風の一戸建ての家が沢山ならんでいて、熱帯樹の植込みもきれいに手入れされている。一戸建ての邸宅が女性達一人に一つづつあてがわれているみたい。〔中略〕ドアは自動的に鍵がかかるようになっているのか、閉まれば勝手のわからない者では中からでも開かない仕掛けになっているみたいだ。

 

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