韓国の経済史学者(元ソウル大学教授)で、ニューライトの旗手である李栄薫ほか著『反日種族主義』(2019年、日本版20年)は、「慰安婦」問題を「種族主義の牙城」だとし、朝鮮人「慰安婦」の総数は3600人程度であり、強制連行されておらず、合法的な公娼制のなかの高収入の売春婦であり、性奴隷ではなかったと主張して、韓国や日本の保守層に大いに消費された。これに対し、韓国で「慰安婦」問題を研究してきた歴史研究者は、この現象の背景に進歩派政権(文在寅政権など)への批判や日韓右派の歴史修正主義連帯があること、また資料や証言の解釈・引用に歪曲や悪意ある活用があることなど事実に即して反論した。本サイトでは2020年8月、この現象を批判的に検証する日韓シンポジウムを開いた。