番組はなぜ改ざんされたか ―― 「NHK・ETV事件」の深層

【書籍情報】
・著者:メディアの危機を訴える市民ネットワーク(編)
・出版社:一葉社

・出版年:2006年
・体裁:A5判・500頁

【概要】
この番組が改ざんされたのは、もはや疑いようがない。政権党の人気政治家や、NHKの7時のニュースがどう取り繕おうと。この番組が改ざんされたのは、ではなぜなのか。二度と放映も検証もできないくらい、見るも無惨に稚拙な形で。この番組が改ざんされたのは、必然だったのかもしれない。見ようとしない、見せようとしない、見させないこの空気メディアの。この番組が改ざんされたのは、だけど決して許せない。証言者サバイバーたちが、先に逝った人たちが、許さない!
歴史と正対し、想像力を拡げ、メディアを取り戻して、これ以上、ただの一人もおとしめ、傷つけ、殺さないために、わたしたちはいま、この本を編む(版元HPより)。

【目次】
はじめに……中野敏男
事件の経緯……板垣竜太
I 改ざんの事実――そのとき何が起こったのか
制作現場で見たNHK番組改変の現実……坂上香
何が直前に消されたか……高橋哲哉
メディアの公共性と表象の暴力……米山リサ沈黙を強いられたのは誰か……北原恵
私たちはなぜ、裁判を闘うのか……西野瑠美子
政治介入と番組改変……板垣竜太
「通常」のなし崩し、すなわちファシズム……板垣竜太
「政治介入」の決定的証拠……魚住昭

II 改ざんの構造――問われる歴史と公共性
日本社会の右傾化とNHK・ETV番組改竄問題……李 孝徳
番組改ざんを促した力……駒込 
象徴天皇制と構造的な暴力……小倉利丸
言論の自由・沈黙させられた声……テッサ・モーリス‐スズキ
共感と無恥……酒井直樹
誰の、何のための公共メディアか……吉見俊哉
市民拒否の論理としての「編集権」……野原 仁
「コーセーチューリツ」と「フヘンフトー」……森 達也
再び”帝国”を志向する社会とと政治権力者へのマスメディアの屈従……斎藤貴男

III 改ざんの廃墟から――状況に抗して
遅れてくるものたちのために……米山リサ
消されたもの、守るべきもの……鵜飼 哲
三分間の裂け目……吉田俊実
「改ざん」のコンテクストを想起する……野中章弘
米山リサさんによるBRCへの申立てと委員会決定の意義について……山下幸夫
「私」に何ができるのか……坂上 香

●メキキ・エッセイ
「低い声」を聞け……河かおる
NHKが「女性国際戦犯法廷」を歴史に刻んだ夜……鈴木香織
[原本取り狂文] 「局の報道(きょくのほうみち)」……村山徹郎
あとがき……岩崎 稔

[資料篇]……解説/板垣竜太・駒込 武・河野真太郎

事件年表……河かおる

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