韓国の日本文学研究者(世宗大学教授)である朴裕河著『帝国の慰安婦』(2013年、日本版14年)が、朝鮮人「慰安婦」は日本軍兵士と「同志的関係」であり、協力者だと主張した。これに対し、「ナヌムの家」居住のサバイバー9名が名誉毀損で告訴した。一方、日本のリベラル系知識人を中心に同書への支持や絶賛の動きが起きた(擁護派)。この動きを、韓国で「慰安婦」問題に取り組んできた研究者・活動家は、『帝国の慰安婦』事態と呼び、疑問視した。日本では2016年3月、先述の擁護派の研究者と、同書の史料や証言の解釈・引用に致命的な問題があり日本の責任を免除するものと反論する本サイトの研究者や活動家の間で、研究集会が開かれた。
3.28 研究集会「『慰安婦』問題にどう向き合うか 朴裕河氏の論著とその評価を素材に」集会記録集
被害者の声に耳を傾けているか?〜朴裕河『帝国の慰安婦』批判 梁澄子
「戦後日本」肯定の欲望と『帝国の慰安婦』――韓国語版・日本語版の異同から見えてくるもの 鄭栄桓
鄭栄桓著『忘却のための「和解」〜『帝国の慰安婦』と日本の責任』世織書房
声明:『帝国の慰安婦』事態に対する立場
[寄稿]朴裕河氏の「帝国の慰安婦」めぐり擁護と批判で初の討論会 土田修(ハンギョレ2016.04.23)
問われているのは日本社会だ~『帝国の慰安婦』をめぐる議論(3.28研究集会)から 岡本有佳