『朝鮮人戦時強制動員』

【書籍情報】
・著者:山田昭次・古庄正・樋口雄一
・出版社:岩波書店
・刊行年:2005
・体裁:46判・290

【概要】
近年喧伝される朝鮮人強制連行虚構論はどこが誤っているか.一方,旧来の強制連行論はいかに再定義されるべきなのか.膨大な史料を踏まえ,従来の研究史も問い直しつつ,強制連行の実像について強制労働,民族差別も視野に納めながら第一人者が意欲的に提示する.現代史の論争的主題に関する注目の書き下ろし.
強制連行の実像をいかに理解すべきか 確かな史料に依拠して、論争的主題への新たな解釈を試みる (版元HPより)

【目次】
序章 

第一章 朝鮮人戦時労働動員史研究の歩み 
第一節 朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』の歴史的位置 
第二節 一九七年代から八年代にかけての調査・研究の発展 
第三節 一九九年代以降の韓国人戦争被害者・遺族の戦後補償要求運動と調査・研究 

第二章 強制連行説虚構論の系譜 
第一節 出稼ぎ渡航と戦時労働動員 
第二節 朝鮮人高賃金論 
第三節 官斡旋「自由契約」論 

第三章 朝鮮人戦時労働動員の過程 
第一節 日本「内地」への動員に関する統計の検討 
第二節 初期朝鮮人戦時労働動員の展開 
第三節 初期朝鮮人戦時労働動員政策の行詰まり 
第四節 朝鮮人戦時労働動員の本格化 
第五節 朝鮮人戦時労働動員の末期的症状の展開と徴用令 
第六節 朝鮮に残された家族の窮状 
第七節 朝鮮人「強制連行」説虚構論批判 

第四章 朝鮮総督府と朝鮮人民衆 
第一節 朝鮮総督府の対応 
第二節 朝鮮人戦時労働動員と朝鮮農村社会 
第三節 戦時労働動員に対する朝鮮民衆の忌避 

第五章 戦時期の皇民化教育と朝鮮女子勤労挺身隊 
第一節 女子勤労挺身隊の発足 
第二節 朝鮮女子勤労挺身隊への朝鮮人少女の動員 
第三節 日本の工場における朝鮮人女子勤労挺身隊員の生活と労働 
第四節 朝鮮人女子勤労挺身隊への動員とその結末 

第六章 朝鮮人労働者の労働と生活 
第一節 労働面での民族差別 
第二節 労働災害と民族差別 
第三節 強制貯金をめぐる民族差別 
第四節 家族送金約束の不履行 
第五節 食と衣をめぐる民族差別 
第六節 政府と企業の逃亡者対策 
第七節 協和会と朝鮮人労働動員 

第七章 政府と企業の戦後処理 
第一節 未払金の清算問題と「損失」補填 
第二節 朝鮮人連盟の補償要求 
第三節 未払金の供託 
第四節 朝鮮人戦時労働動員者の帰国 

第八章 朝鮮人戦時労働動員の全体像 
第一節 強制性について 
第二節 朝鮮および朝鮮人は他国,他民族であった 
第三節 労働動員の評価をめぐって 
第四節 今後の課題

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