
【書籍情報】
・著者:林博史
・刊行日:2025年
・出版社:集英社
・体裁:新書版・352頁
【概要】
県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦から80年。膨大な史料と最新の知見で編み上げた沖縄戦史の決定版!
1945年3月末から約3か月間にわたり、米軍と激しい地上戦が繰り広げられた沖縄戦。軍民あわせ約20万人もの命が失われた。戦後、日本は平和憲法を制定したが、沖縄は米軍の軍事支配に委ねられ、日本に返還後、今なお多くの米軍基地が存在している。また、近隣国を仮想敵とし、全国で自衛隊基地の強靭化や南西諸島へのミサイル配備といった、戦争準備が進行中である。狭い国土の日本が戦場になるとどうなるのか? 80年前の悲劇から学び、その教訓を未来に生かすために、国土防衛戦の実相を第一人者が膨大な史料と最新の知見を駆使し編み上げた、沖縄戦史の決定版。
【目次】
序 なぜ今、沖縄戦か
第1章 沖縄戦への道
1 沖縄の近代
2 中国やアジア太平洋への侵略戦争と沖縄
3 なぜ沖縄が戦場になったのか
第2章 戦争・戦場に動員されていく人々
1 沖縄の戦時体制
2 戦場動員態勢へ
3 疎開―根こそぎ動員と表裏一体の政策
4 軍と県による戦場動員
第3章 沖縄戦の展開と地域・島々の特徴
1 米軍最初の上陸地―慶良間諸島
2 米軍の沖縄本島上陸 1945年4月
3 沖縄本島中部の激戦 1945年4月〜5月
4 沖縄本島北部の戦闘
5 沖縄戦の終焉―本島南部 1945年6月
6 餓えとマラリアの宮古・八重山
7 離島の沖縄戦
8 米軍の戦闘方法、心理戦、軍政と収容所
9 沖縄からの九州奄美への爆撃
第4章 戦場のなかの人々
1 日本兵たち
2 日本軍による住民に対する残虐行為
3 戦場に駆り出された人々
4 「集団自決」
5 学徒隊
6 死を拒否した人々
7 防衛隊員
8 朝鮮人
9 日本軍「慰安婦」と性暴力
10 沖縄の外での戦闘に参加した沖縄の人々
11 移民した人たちの戦争
12 米軍兵士にとっての沖縄戦
第5章 沖縄戦の帰結とその後も続く軍事支配
1 どれほどの人たちが亡くなったのか
2 どうすれば犠牲をなくせたのか、減らせたのか
3 加害と侵略の出撃基地―米軍基地
4 沖縄戦の戦後処理
5 沖縄戦の認識・体験談・研究

