北支那方面軍参謀長「軍人軍隊の対住民行為に関する注意の件通牒」(1938)
日本軍人の強姦事件など不法行為によって反日感情が醸成することを危惧し、北支那方面軍参謀長が、「成るへく速に性的慰安の設備を整」えるよう指示。
馬来軍政監部「慰安施設及旅館営業取締規程」(1943)
マレー半島の占領を担当していた馬来軍政監部が1943年11月11日付で定めた「慰安施設及旅館営業取締規程」である。軍による管理の方針がよくわかる。
第35師団司令部「営外施設規定」(1943)
歩兵第219連隊所属警備隊第7中隊「昭和18年度諸規定綴」に含まれている文書。第12軍(仁集団)指揮下の第35師団(開封に駐留)が作成したものと思われる。営外施設の一つとして特殊慰安所が定められている。
アジア歴史資料センター(レファレンスコードC13010769700)
波集団(第21軍)司令部「戦時旬報(後方関係)」(1939)
第21軍司令部は、「慰安所は所管警備隊長及び憲兵隊監督の下に警備地区内将校以下の為開業せしめあり」と報告。管下の慰安婦は1000名とも報告。
「森川部隊特殊慰安業務に関する規定」(1939)
警備隊長が「慰安業務を監督指導」、「慰安婦の外出に関しては連隊長の許下を受くべし」と規定。連隊長の許可なしには外出できないということは外出の自由はなかったことを意味する。
独立攻城重砲兵第二大隊「常州駐屯間内務規定」(1938)
第9章が「慰安所使用規定」。慰安所の「監督担任部隊は憲兵分遣隊」。
独立歩兵第13旅団中山警備隊「軍人倶楽部利用規定」(1944)
独立歩兵第13旅団中山警備隊(中国広東) 部隊副官が「軍人倶楽部の業務を統轄監督指導し円滑確実なる運営を為すものとす」という規定。なお第一軍人倶楽部は食堂、第二軍人倶楽部は軍慰安所。
フィリピン パナイ島イロイロ慰安所「検梅成績に関する件」(1942)
イロイロの陸軍慰安所の慰安婦の性病検査の結果報告。16,17,18歳などの未成年者が多数いたことがわかる。内務省警保局は1938.2.23の通達において、日本国内で慰安婦を徴集する際には21歳以上に限定するように指示していたが、フィリピンにおいては未成年者であることがわかっていたにもかかわらず、軍は慰安婦にしている。これは明らかに差別である。
ビルマ マンダレーの駐屯地慰安所規定など(1943-1945)
ビルマ マンダレーの駐屯地慰安所規定など 1943-1945
ここには、マンダレー駐屯地司令部が定めた「駐屯地慰安所規定」1943.5.26 の本文 と「マンダレー駐屯地勤務規定」1945.1.2 の別紙第11「軍指定軍准指定食堂慰安所」「軍指定軍准指定食堂慰安所要図」を抜粋している。
この規定では商社員など日本の民間人も軍慰安所を利用することを認めている。戦争遂行に必要な資源開発などに商社などがビルマ奥地にまで進出しており、彼らにも慰安所を利用させていたことがわかる。
慰安所の一覧には将校用、明記していないが下士官兵用、ビルマ人兵補用があり、慰安婦にされた女性の民族別もわかる。
本サイトの「慰安所マップ」のマンダレーをクリックしていただくと元慰安所写真を多数掲載しているのでご覧ください。
参照 林博史「ビルマの慰安所と商社」
http://hayashihirofumi.g1.xrea.com/paper17.htm
セレベス民政部第二復員班長「南部セレベス売淫施設(慰安所)調書」(1946.6.20)
インドネシアのセレベス島における海軍慰安所について、戦後にまとめた報告書。部隊が経営、つまり直営していた慰安所と邦人に経営させていた慰安所の両方があったことがわかる。いずれも海軍の軍政機関である民政部が許可・監督していた。
[日本軍「慰安婦」関係史料について]
ここには基本的な史料を選んで掲載しています。これまでに見つかっている日本軍「慰安婦」関係の史料については、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)が整理し、関連するすべての公文書1000点近くをウェブ上で公開しています。史料そのものをウェブ上で見ることができますので、もっとくわしい史料をご覧になりたい方は、そちらのサイトをご覧ください。
日本軍「慰安婦」関連公文書 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam) https://wam-peace.org/ianfu-koubunsho/
【文書の出典について】
ここに掲載した文書は、注記のないものは、政府公表資料です。これらは、「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」内の「慰安婦関連歴史資料」に掲載されている、女性のためにアジア平和国民基金編『政府調査 「従軍慰安婦」関係資料集成』①~⑤ にも収録されており、http://www.awf.or.jp/6/document.html のページから、同資料集成の全文を閲覧することができます。なおこの国民基金の資料集成に収録された史料は、多くは、アジア歴史資料センターのウェブサイト http://www.jacar.go.jp/index.html でも閲覧できます。