【書籍情報】
・特集編集者:岡本有佳 梁・永山聡子
・発行:特定非営利活動法人アジア女性資料センター
・販売:夜光社
・刊行年:2020年12月
・体裁:B5判・96頁
【概要】
「慰安婦」被害サバイバー李容洙さんの会見は、日韓メディアの恣意的な継ぎはぎ報道によって、正義連および尹美香前理事長へのバッシングを巻き起こしました。特に日本では、韓国メディアが誤報を正した後も、当事者への取材も検証報道もなされていません。そこで本誌は、できるかぎり多様な視点からこの事態を検証しつつ課題を探ろうとこの特集を企画しました。李容洙さんの「叫び」をどう理解し何を受け取るのか。被害者と向き合うこととは?これまでの事態をまとめた、日本で唯一の特集といえるでしょう。(中略)本特集が、加害責任を有する国・日本で生きる私たちが李容洙さんの叫びと向き合い、ともに議論し「慰安婦」問題解決運動をさらに更新していくための手がかりの一つとなれば幸いです。(本文より抜粋)
【目次】
【第1特集】「慰安婦」被害者の叫びから何をうけとるか~正義連バッシング事態 検証と課題
特集にあたって 岡本有佳
正義連バッシングの経緯 岡本有佳
とどまった正義(Justice)は何を残したか——「李容洙の言葉」以降 李娜榮(イナヨン)
サバイバー李容珠の30年 李昤京(リリョンギョン)
被害者を代弁するということ――あの数多くの「ハルモニ」はどこへ 梁鉉娥(ヤンヒョナ)
民主化を内破する「複数の政治」 趙慶喜(チョウキョンヒ)
李容洙さんを「消費」した韓国保守メディアの大問題 徐台教(ソテギョ)
ファクトチェック 平和ナバン
日本のマスメディア問題が報じない事実 岡本有佳
「正義連バッシング」に思うこと――日本の市民として 藤永壮
正義連バッシングと「慰安婦」問題の30年 池田恵理子
尹美香さんの選択——被害者たちとの「約束」を守る 梁澄子(ヤンチャンジャ)
李容洙さんの訴え~問われているのは日本政府と日本社会~ 岡原美知子
台湾の阿嬤(あま)たちからもらった宝物 柴洋子
大娘(ダーニャン)の痛みの記憶と人生を伝える 川見公子
韓国挺対協・正義連運動とフェミニズム的連帯~ポストコロニアル・フェミニズムの視点から~ 金富子(キムプジャ)
「法廷」の成果を未来につなぐ――女性国際戦犯法廷20周年国際シンポジウムに向けて 小野沢あかね