【Fight For Justice連続講座】第Ⅴ期
日本軍「慰安婦」問題から考える戦後80年・日韓条約60年
<講座概要>
Fight For Justiceは、日本軍「慰安婦」問題の解決を目指し、日本軍「慰安婦」制度に関する歴史的な事実関係と責任の所在を、資料や証言など明確な出典・根拠をもって、提供するウェブサイトです。
FFJ連続講座は入門講座です。2ヶ月に1回のペースで、最近日本軍「慰安婦」問題を知って、関心はあるけど、どこで、何で、どうやって学んだらいいかわからない……そんな方々にぴったりの講座となっております!
また、基礎からおさらいしたい、という方々にもおすすめの講座です。
学生は無料です!
2025年は、日本が敗戦した1945年から「戦後80年」、日本の侵略・植民地支配を経験したアジア諸国にとっては「解放80年」をむかえる節目の年にあたります。また、国交を回復したものの歴史認識で対立した日韓基本条約(1965年)が締結されて「60年」をむかえます。さらに、民衆法廷「日本軍性奴隷制を裁いた女性国際戦犯法廷」(2000年)から25年目でもあります。
今回の第Ⅴ期の連続講座は、この戦中戦後の長い歳月を日本軍「慰安婦」問題からあらためて照らし出す多彩なテーマを5回にわたって準備して、以下のような講師の方々をお迎えして行います。
なお、第Ⅴ期ではオンライン(1・3・5回目)だけでなく、対面とオンラインの両方(2・4回目)という形式でも行います。対面集会では、書籍販売も行います。
学生や市民の皆さまの幅広い参加をお待ちしています。
第Ⅰ期では日本軍「慰安婦」問題を、第Ⅱ期では近代公娼制度を、第Ⅲ期では日本による朝鮮植民地支配、第Ⅳ期では歴史修正主義の問題を扱い、最新の研究成果に基づき、基礎の基礎からわかりやすく解説しました。
<開催方法>
YouTubeライブ配信
※事前に申し込みをした方のみ、1ヶ月限定で後日配信いたします。後日配信には少々時間をいただいております。各回講座の間にチケットをご購入した方は、次回講座後まで配信をしばらくお待ちください。
※ライブ配信のリンクは講座開始1時間前に、申し込みされたpeatixメッセージにお送りします。
※ライブ配信視聴のためのサポートはいたしません。参加者ご自身でご確認の上、ご参加ください。また、メールが迷惑メールボックスに入っていることもございます。よくご確認のうえ、お問い合わせください。
<参加費>
一般:一回券1000円、5回通し券4500円
学生:一回券・通し券ともに無料
申し込みはこちら
※ 5回通し券は第Ⅴ期の途中からでも購入可能です。その場合は遡って録画を見ることができます。ただし、直近の講座が終わった後に視聴可能となります。講座と講座の間にチケットをご購入した方は、次回講座後まで配信をしばらくお待ちください。
※各回講座当日の18時以降お申し込みの方には、後日配信をお送りします。ご留意ください。
★カンパも同時に募っております。FFJ活動継続のため、ぜひご協力ください!
FFJ支援ページ
<第Ⅴ期プログラム>
第1回 2025年5月26日(月)20:00~21:30(申込締切5月26日18時)
太田修さん(朝鮮近現代史、近現代日朝関係史、同志社大学)
「日韓基本条約をめぐる歴史認識の対立と日本軍「慰安婦」問題」
<開催形式>
オンライン
<講師プロフィール>
同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教員。朝鮮現代史、近現代日朝関係史専攻。主著に『〔新装新版〕日韓交渉』(クレイン、2015年)、『朝鮮近現代史を歩く』(思文閣出版、2009年)、『同志社コリア研究叢書4 植民地主義、冷戦から考える日韓関係』(編著、同志社コリア研究センター、2021年)、「日韓請求権協定で「解決ずみ」なのか」内海愛子ほか『日韓の歴史問題をどう読み解くか』(新日本出版社、2020年)、「日朝国交正常化はなぜ必要か」李鍾元・木宮正史編『朝鮮半島危機から対話へ』(岩波書店、2018年)。
<講座概要>
日韓基本条約(1965年)第2条「無効(null and void)」をめぐって当時、韓国が併合条約(1910年)等は「当初から…無効」、日本が締結当時は「効力を有していた」が1948年韓国独立時に失効したと主張し、いまも歴史認識の対立が続いている。最近、韓国側の「無効」論のルーツが植民地期の朝鮮人の主張に遡るとの新たな見解が提示されている。植民地期と日韓会談での「無効」論を検討しつつ、日韓両政府が日韓会談時と日韓条約締結後に日本軍「慰安婦」問題をどう議論してきたのかを検証する。
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第2回 2025年7月26日(土)14:00~15:30(申込締切7月26日13時)
吉見義明さん(日本近現代史、Fight for Justice共同代表)
「新著『日本軍慰安婦』を語る」(出版記念)
<会場>
一橋大学(場所は追って参加申込者にお送りします。)
★会場にて書籍を販売します!
新著『日本軍慰安婦』(著:吉見義明)も会場にて販売いたします。
会場の収容人数の関係上、対面は「100人」までになります。オンラインは人数制限ありません。
<講師プロフィール>
吉見義明 大阪公立大学客員教授、中央大学名誉教授。専門は日本近現代史。Fight for Justice共同代表。著書に『従軍慰安婦』(岩波新書、1995年)、『毒ガス戦と日本軍』(岩波書店、2004年)、『買春する帝国』(同、2019年)、『草の根のファシズム』(岩波現代文庫、2022年)、『焼跡からのデモクラシー』上・下(同、2024年)など。現在は、「日本軍慰安婦」の研究とともに、高度成長期の人びとの体験や、一次資料にもとづく遊廓の研究も行って
いる。
<講座概要>
あらためて日本軍「慰安婦」制度とは何だったのか。前著『従軍慰安婦』(1995年)以後にみつかった証言や資料も含めて、今年7月に新著『日本軍慰安婦』を刊行する。その出版を記念して、これまでの日本軍「慰安婦」制度研究を振り返りつつ、その到達点と未解決点、争点などを明らかにする。当日は新刊を販売。
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第3回 2025年9月22日(月)20:00~21:30(申込締切9月22日18時)
金栄さん(在日朝鮮人史・女性史研究、編集者、ルポライター)
「朝鮮民主主義人民共和国でみた日本軍慰安所跡と植民地遊廓跡─ポスト・サバイバー時代の歴史的トラウマ─」
<開催形式>
オンライン
<講師プロフィール>
金栄(キム・ヨン) 在日朝鮮人・女性史研究者、編集者、ルポライター。日本軍「慰安婦」、「遊廓」跡調査のため5回訪朝し、国境地帯を含む北部地方都市の踏査を行う。共著に『海を渡った朝鮮人海女─房総のチャムスを訪ねて』(新宿書房、1988)、『軍隊と性暴力─朝鮮半島の20世紀』(現代史料出版、2010)、『植民地遊廓─日本の軍隊と朝鮮半島』(吉川弘文館、2018)。
<講座概要>
植民地時代の朝鮮北部は中国・ソ連国境に接しているため、朝鮮軍(日本軍のこと)が駐留する軍事都市が多かった。1998年、朝鮮民主主義人民共和国に日本軍慰安所があることが報じられたが、日朝間に国交がないため同国に行くこと自体が難しく実態の解明も進まなかった。同国を5回訪問し各地の旧軍都にあった慰安所跡や遊廓跡を踏査した経験やオーラルヒストリー、現地の研究調査員たちとの交流の様子と共に、サバイバー亡きあとも伝達される歴史的トラウマについて明らかにする。
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第4回 2025年11月29日(土)14:00~15:30(申込締切11月29日13時)
池田恵理子さん
(VAWW-NETジャパン元運営委員、wam元館長、ビデオ塾主宰、ジャーナリスト)
「女性国際戦犯法廷25年―映像が伝える「慰安婦」サバイバーたちの証言と背景」
<会場>
一橋大学(場所は追って参加申込者にお送りします。)
★会場にて書籍を販売します!
新著『日本軍慰安婦』(著:吉見義明)も会場にて販売いたします。
会場の収容人数の関係上、対面は「100人」までになります。オンラインは人数制限ありません。
<講師プロフィール>
NHK元ディレクター。wam元館長。NHKでは「おはようジャーナル」や「ETV特集」で女性、教育、医療、人権、エイズ、「慰安婦」などの番組を制作。1997年以降は市民活動として映像制作集団「ビデオ塾」を主宰、中国の性暴力被害者支援、「女性国際戦犯法廷」の開催、wamの創設などに携わる。著書に『エイズと生きる時代』(岩波新書、1993年)、共著に『日本軍「慰安婦」問題 すべての疑問に答えます。』(合同出版、2013年)、『NHKが危ない』(あけび書房、2014年)など。
<講座概要>
2000年に東京で開かれた民衆法廷「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」(法廷)には、被害8カ国から64人の「慰安婦」サバイバーが参加した。法廷では各国の審理で多くのサバイバーが自らの性被害を証言した。法廷の準備段階から映像記録を撮り、法廷の審理を生中継し、被害者証言を撮影した立場から、各国のサバイバーたちや元日本兵の加害証言を観ながら、その証言にいたるエピソードや法廷での様子、その後も含めサバイバーを支えた被害国と日本の女性運動などについて語る。
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第5回 2025年1月26日(月)20:00~21:30(申込締切1月26日18時)
加藤圭木さん(朝鮮近現代史、Fight for Justice常任理事)
「「反日」・「親日」言説の問題点——日本軍「慰安婦」問題、「日韓歴史問題」をどのように語るのか」
<開催形式>
オンライン
<講師プロフィール>
一橋大学大学院社会学研究科准教授。専門は朝鮮近現代史。Fight for Justice常任理事。著書に『植民地期朝鮮の地域変容』(吉川弘文館、2017年)、『紙に描いた「日の丸」』(岩波書店、2021年)、『だれが日韓「対立」をつくったのか』(共編、大月書店、2019年)。一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール編『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』(大月書店、2021年)では監修を担当。
<講座概要>
日本軍「慰安婦」問題など日本の加害の歴史を研究してきた歴史学者を、「反日学者」などと批判する声がある。また、日韓関係をめぐって、「韓国人は「反日」だ!」「K-POPアイドルの○○は「親日」だから嬉しい」といったようなことがよく言われる。「反日」・「親日」言説は、SNSはもちろん、新聞や雑誌、テレビにも登場している。
本講座は、このような言説の問題点を明らかにし、これに対抗する方法を考える。